はさみ 石田 明雄




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日本に西洋式のはさみが入ったのは鉄砲と同じく種子島からだと言われています。
江戸時代になって、髪結いや植木屋、生け花、呉服店などではさみが広く使われるようになり、江戸後期には播州や越後、美濃、越前などに専業のはさみ鍛冶が生まれました。
一方、本格的な西洋の外科器具を持ち込んだのはシーボルトでした。1796年にドイツで生まれたシーボルトは1823年に来日、出島のオランダ商館医となります。
シーボルトが使用した外科器具は日本にも残されています。驚くべきは外科用のはさみ(剪刀:せんとう)で、これまで日本に無かった先反りの刃でした。
しかも刃と刃の間にはほとんど隙間がありません。こうした緻密な作りは手術における正確な動きを可能にしました。
当時、江戸には外科器具を作る人材が居なかった為、長崎で有名であった道具師を呼び寄せて作らせました。
その後、世界規模で大きく発展したのは、19世紀後半から20世紀前半にかけてのことです。
今日使われている外科器具の多くは慣例として考案した外科医や製造者の名で呼ばれ、それは、現在も続いています。



石田 明雄 / 作品

はさみ / 施工実績

名 前:石田 明雄
工芸品:はさみ
住 所:墨田区墨田5-48-10
略 歴:1968(昭43年)東京 墨田区生まれ

1970(昭45年) 先代(石田 宏美) 石宏製作所 創業 医療用ハサミ製造開始
1986(昭61年) 都立 墨田工業高校 卒業
1992(平 4年) 先代ニ弟子入リ 石宏製作所 入社
1998(平10年) 先代(石田 宏美)他界代表となる
2011(平23年) すみだモダン2011認証「はさみ」
2012(平24年) 5月22日東京スカイツリーオープニングテープカットに「裁ち鋏」採用
2013(平25年) すみだモダン2013認証「無垢鋏」
2016(平28年) すみだモダン2016認証「職人が大切な人に贈ったはさみ 携帯用・普段用」
2017(平29年) NHK Eテレ「ふるカフェ系ハルさんの休日-東京墨田区錦糸町編-」親子で出演
2017(平29年) 「職人が大切な人に贈ったはさみ 携帯用・普段用」台湾ゴールデン ピン デザインアワード2017受賞
2018(平30年) 刀剣博物館(墨田区横網)オープニングテープカットに「裁ち鋏」採用

仕事のこだわり:先代より医療用はさみを専門としてきました。
医療関係者にとって、切れ味のよさ、動きのなめらかさは非常に重要な要素です。
一般の方々にも知って頂きたいとの思いから、「すみだモダン」等に挑戦して、広く皆さまに使っていただく機会を得る事が出来ました。
切れ味が落ちたと依頼がくれば、ネジを外して研ぎ直し、丁寧に調整して送り返します。
お客様に「使って良かった」と言ってもらえるように、これからも、お役に立てるよう精進していきます。

 

■少年時代

小学校へ行く時も、帰って来た時も、いつも父親は一階の仕事場ではさみを作っていました。平日はもちろん、土日祝日関係なくずっと手を動かしていた職人でした。
そんな姿を見ていたからか物作りにはとても興味があり、工作やプラモデルが大好きで、次男ではありますが将来後継ぎになるのかなと思っていました。


■職人になるきっかけ

小、中といじめにも有って中卒で仕事を習うと担任、両親へ申し出ると反対され「高校ぐらいは卒業しなさい」と言われたのでそれならと「都立墨田工業高校:機械科」へ通うことになりました。 高校時代はビアガーデン&ホールのバイトに精を出し過ぎ(お疲れビールを覚えました)
高校を卒業しても就職せずに、1年以上バイトを続けていました。
その後レタリング学校へ通い、卒業後版下の製作会社でフィニッシュワークを担当コンパスや定規等を使いロゴや図面、地図などを描く仕事で楽しかったです。三年間勤めました。
だいぶ遠回りしましたが30歳になるまでには、はさみ作りの仕事を覚えたいと思っていたので、23歳で退社し父(石宏製作所)に弟子入りしました。


■職人になってから現在~そして今の思い

見ているのと実際にやってみるのとでは大違いで、削る事さえままにならず来る日も来る日も自分が思うようには上手くいかずに悩みましたし、嫌になりました。
それでも、二年三年と歳月が過ぎて数をこなしていくと、以前よりはイメージ通り削れるようになりとても嬉しく思いました。
仕事を始めて六年目の正月、突然父親が倒れて二日後には他界してしまいました。後に残されても「はさみ」をまともに作り上げられない自分。
「あーもう終わった」「あそこはダメだね」等陰口も耳に入ってきました。その時同業者の方が手を差し伸べて頂き、一通りの作り方を教わりました。
仕上げ方迄は分かりましたが、ここからは試行錯誤の日々、寝ている時でも頭の中では「あの削り方で良かったのかな?」「叩き方が悪かったかな?」 「休んだら忘れちゃうんじゃないかな」と不安な日々を過ごしていました。その時に思い出したのが父親の背中でした。平日も休日も関係なく朝から晩まで働いている姿です。
とにかく手を動かして体に覚えさせないといけない「用事が無いなら仕事しろ!」と自分に言い聞かせるようになりました。
少しずつ自信も出て来たころから、友人の結婚祝いにプレゼントしたり自分の結婚式では引き出物として<裁ち鋏>をプレゼント致しました。


■職人哲学

『はさみは二つの刃が重なりあってはじめて切ることが出来ます。お互い締めすぎず緩めすぎずに協力して未来を切りひらいて下さい』
これからも、ひとつひとつ丁寧に作り、使って頂ける方一人一人が気持ち良く切れると言ってもらえるようはさみを作っていきます。


■趣味

20~30歳代:ウィンドサーフィン、サーフィン(ロングボード)、スノーボード
現在:たまに水泳(でも五十肩でクロールが、、、)そして海水浴、折り紙(本を見るのも好きです)

■連絡先

氏 名:石田 明雄
住 所:墨田区墨田5-48-10
電 話:03-3614-3292
メール: ishihiro8338@gmail.com
動画:YouTube「石宏製作所」で検索