べっ甲工芸 磯貝 庫太

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isogai_k_s1.jpg べっ甲は古く奈良時代の正倉院の宝物の楽器の琵琶、その他の物に使用されていました。

べっ甲の特徴は軽い為に使いやすい、それからつやの独特な光具合が魅力だと思います。また東京都指定の伝統工芸品に認定されています。


磯貝 庫太 /  作品

 名 前:磯貝 庫太
工芸品:べっ甲工芸
住 所:墨田区横網2-8-12
略 歴:大正 3年 群馬県富岡市生まれ

昭和 4年 本所 安井千代松に師事
昭和14年 独立開業
昭和45年 東京鼈甲組合主催新作コンクール金賞
昭和53年 東京鼈甲組合主催新作コンクール銀賞 銅賞
同 年   東京都知事より技術功労賞受賞
昭和57年 墨田区長伝統技術保持者受賞
昭和58年 東京都知事表彰 受賞
昭和59年 墨田区長表彰 受賞
昭和62年 墨田区無形文化財の認定
平成 2年 秋 叙勲 勲六等瑞宝章授与

仕事のこだわり:今の時代にあったものを作る。昔と違い櫛(くし)と簪(かんざし)だけでは時代の流れについていけません。勉強が必要です。今の時代に合うものを研究して時代に合ったもの、そして長く使える良いものを作っていきたいと思っています。

 

■ 少年時代

家が農家で畑仕事のために馬を飼っていたので、毎朝学校に行く前に山に行って草を刈って馬に食べさせたり、帰ってくると畑仕事の前に馬に準備運動させろといわれると馬に乗って遊んでいました。もちろん初めのうちは何回も落とされてましたが草競馬に出るほどの腕になりました。勉強はあまり好きなほうじゃなかったですね。

■ 職人になるきっかけ

isogai_k1.jpg 私は群馬の農家の七人兄弟の末っ子 。高等小学校を卒業して両親は中学校に行って欲しかったようですが、私は勉強があまり好きでなかったし、家族が多かった(多い時には13人ぐらい)ので東京に出て働くことに決めました。同級生でも中学に進んだ人は2、3人でした。村の(今は市だけど)出身者の中でべっ甲細工師として成功した人が三人もいて話題になる。そこで手先が器用と言われた私もやったろうと知り合いの方に師匠の安井千代松氏を紹介していただいて十六歳で上京しました。ですが具体的にどんなことをするかは知りませんでした。




■ 職人になってから現在

修行も初めは掃除ばかりで、冬には格子戸は拭く一方から凍ってしまいました。また金ヤスリでべっ甲の代わりにかつお節を削って練習しました。削ったかつお節はお味噌汁のダシに使いました。そのダシがまたよく出て美味しかったです。

独立してからはコンクールで金賞を受賞したり、上野の博物館からの依頼で1200年前ぐらいの国宝を修理したりなど色々な仕事(長い職人人生なので細かく言うと長くなるのでこの辺で)をしてきました。

■ 職人哲学

isogai_k3.jpg 哲学ではないですけど、これからも昔と同じ良いものを作って長続きさせて欲しいという想いがあります。良いものは一生使えるものなのです。そういうものを作っていけばお客様に信頼される。これが大切です。そうすればお店を延いてはべっ甲芸を長続きさせることができます。  写真:米寿を祝して

■ 私の目標・夢

仕事で北海道から九州まで全国をまわって、外国にも何カ国か行ったので特には目標はないけれど息子や伝統工芸の方々にがんばって伝統工芸品を残していって欲しいと思っています。

■ 連絡先

bekko_ko.jpg氏 名:磯貝 庫太
住 所:墨田区横網2-5-5(小さな博物館・工房ショップ)
電 話:03-3625-5875
FAX:03-3622-1537