江戸木箸は大正の初期より作り始められ江戸職人の手に依って約100年の伝統が現在に至っております。
江戸木箸は厳選された銘木(黒檀、柴檀、鉄木、つげ、楓等)を素材として、木そのものの良さを生かした箸です。江戸木箸は使い易さを求めてつまみ易く握りの良い機能性とデザインを追及し手仕上げされた箸です。
手の感覚は人それぞれ異なるため(長さ、太さ、重さより)自分の手に合った箸を巾広く選べる処に江戸木箸の奥深い魅力が隠されております。
江戸木箸という呼び名は他の土地で作られる箸と区別するために「大黒屋」主人竹田勝彦が平成11年に江戸木箸と命名商標登録しました。
昔は「胴張り」四角形が主でした。現在大黒屋では様々なアイディアを形にし新しい江戸木箸の開発に取り組んでおります。
名 前:竹田 勝彦
工芸品:江戸木箸
住 所:墨田区東向島2-4-8(工房ショップ)
略 歴:昭和17年 東京台東区鳥越生まれ
昭和32年より奉公に出る
昭和39年 食器問屋に就職
昭和60年 墨田区にて大黒屋を設立
平成18年 墨田区マイスターに認定
平成19年 東京都マイスターに認定
☆仕事のこだわり:箸は立派な道具であるのに一膳を決めてすべてのものに使ってしまう傾向が有る。 相手が変われば道具も変わるはずではないか。 食べ物が変わればその食べ物が美味しく食べられる箸が有ってもいいはず。 お客様が楽しい食卓を囲めるように、どの様な箸が求められているのかを追求していきたい。
伝えたいこと
■ 少年時代
私のおじいちゃんは大工さん。 私の子供の頃は町の至る処で大工さんが家を建てるのに、材木に墨をつけ、鋸(のこ)で木を切り、鉋(かんな)で木を削る処を身近に見る事が出来ました。現場が近いとお弁当を届けながらおじいちゃんの仕事ぶりを興味津津で見ていたものです。
なぜか木に縁の有る家系で、お父さんは桐下駄の職人。
桐の下駄づくりに欠かせないのが柾目を出す磨きと云う作業です。学校から帰ると手伝う事もよく有りました。下駄も歯がスリ減ると、ご飯粒を竹ベラで 練って、今で云うボンド(接着剤)を作り、歯継ぎと云う作業をして新しい下駄に甦る。子供心にすごいなと感じていました。
■ 職人になるきっかけ
私は食器問屋の営業マンでした。箸のサンプルを持って営業をしているうち箸の形が四角や丸しか無い事に疑問を感じておりました。20年勤めた後に独立。箸問屋を始めた当初は自分の頭に描いた箸を木箸職人に依頼をしていましたが、なかなか満足したものが得られず自ら箸職人の道に入る事になりました。
■ 職人になってから現在
始めは単調な2本の棒と甘く見ていたが、作れば作るほどバランスの難しさに悩まされました。人の手は皆同じではない、箸は自分だけの専用の道具。この事が解った時に益々箸作りの難しさを感じたが、此の事を心に命じて箸づくりをしております。
■ 職人哲学
早く出来るものは早く売れる。時間のかかるものは売るまでに時間がかかる。見えない処に時間をかけるのが職人の技であり、宝物ではないか。高いものは良いとは限らず、良いものは高いのである。作る人がいれば、使う人がいる。仕事を通じて感謝される仕事を続けて行きたいです。
■ 私の目標・夢
箸は和の部類に入り和食との関連が強いのですが、洋食にも使える箸。 食べる物が変れば箸も変わる。食べる物がおいしく感じられる箸作りを追求して行きたいです。
■ 連絡先
氏 名:竹田 勝彦
住 所:墨田区東向島2-4-8(工房ショップ)
電 話:03-3611-0163
URL:
https://www.edokibashi-daikokuya.com/