不器用という自覚はありながらも細かい工作や細かい絵を描くことが結構好きでした。また図工で木を彫った時の彫刻刀が入る感覚がとても好きだったことを覚えています。
会社員を辞め勢いで入った京都の専門学校で仏像彫刻を学びました。卒業後職人の道に進めるとも思っておらず東京に戻る予定でいたところ縁があり木版画の仕事をしている先輩と知り合いました。さらに卒業前のタイミングで親方が弟子募集をしていたため応募、弟子入りすることになりました。
私が師事した親方は「黙って見て覚えろ」という概念ではなく、とてもわかりやすい説明でなんでも教えてくれる方でした。また本番を彫らないと上達しないという考えで、かなり早い段階から稽古ではなくさまざまな実際の仕事を手伝わせてもらいました。
千社札の仕事が多い工房で年中依頼が来ていた為、技術だけでなくいかに早く彫るかも鍛えられました。独立後はいろんな面で自分で決めなければならない事が多く大変なことばかりですが、周りの方々のおかげでここまでやってこられました。ひとつの仕事が終わるたび、まだまだだ…と思う事も多いですが、日々の積み重ねしかないと信じひたすら彫っていきたいと思います。
心の乱れが手元にすぐ現れるということを何度も失敗から学びました。平常心が保てていないと感じる時は一旦手を止め深呼吸をし気持ちが落ち着くまで待ちます。
また刃物の切れ味は最も重要であるため、どんなに慌てている時も「急がば研げ」を守れるよう努めています。
摺師から摺りやすかったよと言ってもらえる仕事を常にしたいです。
また細かい作業が多い仕事なのでこれからも目を大切にして長く仕事が続けられるようにしたいです。
氏 名:永井 沙絵子
住 所:墨田区吾妻橋3-6-15
電 話:03-3611-5019
メール:rhxkh989@yahoo.co.jp