幼少の頃は、紙や段ボールがあれば一日中、切ったり貼ったりして一人で遊んでいた様です。小学生の頃から絵を描くことに興味を持ち 中学生の頃には、学校イベントなどの看板製作などを進んで作っていました。
高専に進学してからは、描く事と同時に、物を作る事に没頭しオートバイをバラバラして組み立ててみたり、鉄や木などで色々な物を作っていました。父が建設業でしたので、夏休みなどにはアルバイトで、大工さんの手伝いをしている中で、特に木に興味を持ち始めたのだと思います。
この仕事についたきっかけ それは指物組合の展示会に足を運んだ事でした。その時は家具製造会社に勤めていましたが、指物の技術に圧倒されすぐに、この仕事をやってみたいと思ってしまいました。
ちょうど同じ時期に、今の私の親方である指物師の渡辺が、雑誌に載っているのを見つけたので、すぐに連絡を取り、仕事場に伺う事となりました。初めて親方と話した時には、給料の事や仕事をおぼえる事の大変さなどを説明され『ちゃんと考えてからまた来なさい。』と、出直すことなりました。その数日後、仕事を辞め親方の所に足を運んでいました。
特に前の会社に不満があった訳ではないのですが、ただ、指物に一目惚れしてしまったのでしょう。
親方の所に弟子入りしてから、すぐには私にできる仕事は何もありませんでした。まずは掃除、道具の手入れとそれを使える事。道具を使いこなす事は大変な事です。鉋ひとつとってもしつかりと刃を研ぎ、台を調整できるまで数年はかかります。
一年目は、仕事が終わってから夜間の技術訓練校に通い日曜日には、学生時代にアルバイトをしていた中華調理屋で、働いていました。初めて作った物は、作業台『あて台』と道具箱でした。その道具箱は今でも大切に使っています。
3年ほどたったころから小さな物を作らせてもらえる様になり、指物の面白さと難しさを感じ始めました。休日には、美術館・博物館や社寺に足を運び、色々な物を観に行き物作りに役立てられる様に心がけています。
30歳を目前にして、どれだけできるか?と思い独立をしました。独立してからも、わからない事や失敗もありますが、親方や先輩方のお力添えにより、前に進む事ができています。
私は家業としてではなく外から弟子入りしたので、伝統工芸としての自分の仕事を意識したのは独立してからの事でした。まだまだわからない事ばかりですが、生活と文化のつながりを大切にしてもの作りをしていきたいと思います。生活スタイルが変化していく中で、ただ昔の物ばかりを作っていてはいけない。しかし、流行に流されてはいけない。 何をまもり、何を変えていくかが大切だと思います。重要なのは作品そのものではなく、それを作り出す職人の技術や考え方であると考えています。
指物で作られる物は、多種多様にあります。 ちゃぶ台・鏡台から茶道具・仏具など一度しか作った事のない物や、まだ作った事のない物もたくさんあります。又、木で作れる物であれば何でも作る事ができます。まだまだ勉強ばかりの毎日です。伝統的な形をしっかりと学び、その中で自分らしさを表現できる様にしっかりと技術を身につけて行きたいと思います。
お客様に木のすばらしさ、伝統技術を伝えられる事ができれば幸いです。
氏 名:益田 大祐
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