染物屋に生まれましたが自宅と工場が離れていた為、中学生の頃から工場に遊びに行くことが多く、工場には犬・鳩・七面鳥・ガチョウ・サル・鯉・金魚等沢山飼っていたので学校が終わってから工場に行くことが楽しみでした。又、型付けの仕事を見ていると、仕事が終わってから職人さんに映画に連れて行ってもらえる楽しみもあった。このような少年時代があったので、何の抵抗もなく自然に江戸小紋染の職人の仕事に染まっていくことが出来た。
写真:江戸小紋博物館案内
働きながら大学に行き、大学では山岳部に所属し山登りに没頭しました。両足で一歩一歩登っていく忍耐を学び感謝しています。 私が25歳の時、父が病気で亡くなったのがきっかけで職人、家業の代表者となり現在に至っております。今でも父の好きな言葉「かたつむり そろそろ登る不二の山」を教訓として心に刻み込んでいます。
写真:工房ショップ・江戸小紋博物館入口
私が18歳で入社した時、着物産業は一大産業として輝いていた時です。私が一番苦労した事は、当時手間賃だった職人さんの雇用問題で、父亡き後、他の工場へ引き抜かれて移動した職人さんを止める力が25歳の時には無く、親方としての風格が無いことを痛感しました。昭和40年頃、ある問屋さんの社長が「成功する秘訣を教えよう」と言われたことがありました。それは「良い品を安く、早く、大量に染める事」だと言ってましたが、しかし時は流れ現在は違っているように思います。
写真:工房ショップ店内
「良い品を時代を超えて2代3代と着継がれていく着物を染めなければならないこと」であると思います。 現在では、江戸小紋を身近に親しんでいただく為に体験教室も開催しております。
古い文献より型紙を掘り起こし、生かし、継承しながら「江戸小紋の新しいかたち」として新しいものに挑戦していき、水・空気以外のものを染めていこうという気構えで耐えず工場は良き整備をし、後継者の育成に力を入れ、お客様からのすべての要求に応えられる工場にしたいと思っています。年期・年功序列ではなく、新しい図案・型を作る能力と全ての工程が出来る腕を持ちやる気・心・真剣さがなければならない難しい仕事である。
親から子へ、子から孫へと末代まで伝承され、ぬくもり思い出が伝え続けられる江戸小紋染を染めたいと思います。現在、三代目の後継者として中條康隆が職人として修行しています。
写真:三代目 中條康隆
氏 名:中條 隆一
住 所:墨田区八広2-26-9(小さな博物館・工房ショップ)
電 話:03-3611-5019
FAX:03-3611-3533
メール:nakajyo@edokomon-daimatsu.com
URL:
http://edokomon-daimatsu.com/